舌痛症の情報収集

舌痛症(口腔内灼熱症候群)に関する論文情報

Recent Advances in the Etiology and Treatment of Burning Mouth Syndrome

Journal of Dental Research 2018, Vol. 97(11) 1193–1199

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バーニングマウス症候群(BMS)は、女性に顕著な傾向がある衰弱性疾患です。口腔粘膜の外観は正常であるが、BMS患者は口腔内の灼熱を経験し、最も一般的には唇と舌に限局している。BMSは除外診断であり、診断を下す前に、アロディニアに関連するすべての基礎疾患を除外しなければならない。BMSの病因はまだ十分に理解されていないため、患者管理は困難である。データによると、口腔内因子と全身因子の両方がこの疾患の発症と持続に寄与していることが示されている。特に、最近の研究では、構造的および機能的な これらの知見は、BMSの病理学的理解につながる可能性があります。さらに、概日リズム機能障害が、これまでには認識されていなかったが、臨床的に重要な疾患の要因である可能性を示唆するいくつかの新しい知見が得られた。概日リズム リズムは痛みの知覚、気分、睡眠を制御し、視床下部-下垂体-副腎軸の調節に重要な役割を果たしている。
これらはBMS患者では変化しているので、基礎となるサーカディアン機能障害を反映しているのかもしれない。BMSに対するエビデンスに基づいた治療戦略は不足しているが、現在の治療法は、クロナゼパム、αリポ酸、カプサイシン、低レベルレーザー治療、ガバペンチン、アミトリプチリンなどの局所的および全身的な薬物療法で構成されている。また、認知行動療法の使用も報告されている。このレビューでは、BMSの病因と治療に関連する最近の文献を概観し、研究者と臨床家が直面している現在の課題を明らかにしている。

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30-60%の患者が神経障害性で、その裏付けは温熱刺激に対する感受性の低下を認めたから。BMSは3種のサブセットがあり、それぞれ小線維ニューロパチー、大規模な不顕性中枢性三叉神経障害を有する者、および抑制性ドーパミン欠乏症を示す者。神経障害性疼痛との考えはこの文脈から。痛みの知覚に関連する脳領域にも構造的・機能的な障害が見られる。

BMS患者において小繊維神経障害が記載されているように、末梢神経系もまた、疾患の発症に関与している(Lauria et al. 2005; Yilmaz et al. 2007; Yilmaz et al. 2016; Hartmann et al. 2017)。その根本的な基盤は十分に理解されていないが、最近の研究では、疼痛感覚経路の特定の障害がこの疾患に寄与していることが示されている。特に、侵害受容および疼痛感覚の調節因子であるアルテミン(Artn)は、健常対照者と比較して、BMS患者の舌において上昇している(Shinoda et al.2015)

BMSの関連要因として、味覚異常、唾液の組成変化(PH?)

・神経内分泌系や内分泌系の機能不全:

血漿アドレナリンレベル,テストステロンとエストラジオールの前駆体であるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)がBMSを有する患者では有意に減少,唾液17β-エストラジオールレベルが疾患重症度と相関,コルチゾールレベルと 全唾液中のコルチゾール/DHEA比が重症度と負の相関、

心理的要因:不安、抑うつ、身体化、強迫性障害、偏執的イデオロギーのレベルが高い、HPA(視床下部・副腎皮質系)異常(コルチゾル関連)

・不眠

サーカディアンリズム

 

マネジメント:

 

局所療法:クロナゼパム、カプサイシン、レーザー

 

全身療法:クロナゼパム、α-リポ酸、ガバペンチン(GABA誘導体)アミトリプチリン(三環系抗うつ薬

あとはその他の薬や心理療法

 

BMSの病因に関するメカニズム論的研究が乏しく、短期および長期の治療成績に関するエビデンスの質が低い

 

雑感:神経障害によるものという考え方が主流。部位ごとの差や歯との接触については触れられていない。(引用文献の精査は必要。)また、症状として慢性疼痛はあるので、原因としてあげられたものについて因果の方向が確かめられているかが不明。(コホート研究の精査が必要。)

総説のようなので、主張と関連のある文献のみ掲載している可能性もある。(雑誌は良いので大丈夫かも。)

 

Burning mouth syndrome: a systematic review of treatments

Oral Dis
. 2018 Apr;24(3):325-334. doi: 10.1111/odi.12660. Epub 2017 Mar 30

 

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バーニングマウス症候群(BMS)は、主に閉経前後の女性が罹患する慢性口腔痛症候群である。口腔粘膜の灼熱感を特徴とし、嚥下障害、麻痺、感覚障害、口腔乾燥を伴うことがある。疾患経過の病因は不明であるが、神経障害性疾患が起源であると考えられている。本システマティックレビューの目的は、BMSに対する様々な治療法の有効性を評価することであった。文献検索は、PubMed、Web of Science、およびコクラン図書館のデータベースを用いて行われ、22件のランダム化比較試験が確認された。8件の研究ではα-リポ酸(ALA)、3件のクロナゼパム、3件の心理療法、2件のカプサイシンが検討されたが、いずれも痛みや灼熱感を減少させる可能性があるという中程度の証拠を示していた。ガバペンチンは1件の研究で単独でALAとの相乗効果が認められた。その他の治療法としては、ビタミン剤、ベンジダミン塩酸塩、ブピバカイン、カチューマ、オリーブオイル、トラゾドン尿素、オトギリソウなどがあった。これらの他の治療法のうち、症状改善に有意な効果を示したのはカトゥアマとブピバカインのみであった。ALA、外用クロナゼパム、ガバペンチン、および心理療法は、BMSにおける疼痛の中程度の緩和をもたらす可能性がある。ガバペンチンもまた、ALAの効果を高める可能性がある。カプサイシンはその副作用によって制限されている。カチューマは有益性を示す可能性を示した。標準化された方法論と、より多くの患者を含むアウトカムを用いた今後の研究が必要である。

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メモ等:

オトギリソウ:セントジョーンズワート

ALA:抗酸化作用、神経障害の治療等でよく使用される。

カチューマ:身体・精神的な無気力の改善で使用される。詳細不明

クロナゼパム:ベンゾジアゼピン

論文中のアウトカム:VAS、それぞれの質問票

VASをアウトカムとするとクロナゼパムのみ有意差あり。ALA3、クロナゼパムは2論文

症状ベースだとALA,クロナゼパム、心理療法で有意差あり。ALAは6、クロナゼパム、心理療法は2論文

バイアス制御はあまり良好ではない。

雑感:舌痛症は神経障害であるとの考え方のもとでのシステマティックレビュー。

アウトカムが論文ごとの質問表及びVASであるが、VASでの結果と質問との結果が一致しておらず、VASの使用が疾患とマッチしていないのか質問に不備があるのかは調べる必要がある。

 

 

 

 

Burning mouth syndrome: prevalence and associated factors(本文あり、本文未読)

 

J Oral Pathol Med. 1999 Sep;28(8):350-4. doi: 10.1111/j.1600-0714.1999.tb02052.x.

疫学もの。

男性 669 人と女性 758 人を対象に,口腔内の訴えと唾液の流れを調査した.その結果、男性11人(1.6%)、女性42人(5.5%)の53人(3.7%)がBMSを有すると分類された。男性では、40歳から49歳までにはBMSは認められず、有病率は0.7%であったが、最も年齢の高い年齢層では3.6%に増加した。女性では、若年層ではBMSは認められなかったが、30~39歳では有病率が0.6%で、最高齢層では12.2%に増加した。自覚的口腔乾燥、年齢、投薬、味覚障害、L-チロキシンの摂取、病気、唾液流量刺激、抑うつ、不安がBMSとの関連因子であった。BMS患者では、灼熱感を伴う部位で最も多かったのは舌(67.9%)であった。焼けるような感覚の強さは、視覚的アナログスケールで4.6と推定された。痛みが強い人では、痛みが少ない人に比べて抑うつ、不安、ストレスの増加は見られなかった。以上のことから、BMSは病気や苦痛の指標として捉えるべきであり、BMSの複雑な病因は専門家による治療が必要であると結論づけられた。

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補足:最高齢層:60-69, L-チロキシン:甲状腺ホルモン, 投薬、疾患についてはそれぞれガイドライン準拠

内容メモ:

除外基準:口腔乾燥、味覚障害、タバコ、嗅ぎタバコ

関連要因:主観的口腔乾燥、年齢、投薬、味覚障害、L-チロキシンの摂取、病気、唾液流量刺激、抑うつ、不安

結論:病因が複雑であり、非常に不均一であるため、典型的な患者像の説明が困難である。そのため、本結果は病気や苦痛の指標として捉えるという観点をサポートするものである。

 

雑感:1999年のコホート研究。発症率が低く、人数も少なめ。

部位が舌で1カテゴリであり、もう少し解像度がほしい。

抑うつに関してはBMSと関連していないという報告がある論文が関連論文にあるようなので、要確認。また、関連論文が豊富。